ジャニーズ性加害問題の影響と芸能界の動向:社会的課題を考える

芸能ネタ

2019年に亡くなったジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長の性加害問題が社会的に話題となっています。

記事にするにあたり、問題の概要を以下の通りざっくりとまとめてみました。

ジャニーズの性加害問題とは、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏(2019年に死去)が、所属タレントやジャニーズJr.の少年たちに対して長年にわたり性的な暴行やセクハラを行っていたという疑惑です。この問題は、以下のような経緯で明らかになりました。

  • 週刊文春が1999年〜2000年にジャニー氏の性加害を詳しく報じる記事を掲載。この記事に対して、ジャニー氏やジャニーズ事務所などが文芸春秋を訴えたが、2004年に最高裁で週刊文春の記事が真実と認められる判決が確定した。
  • 2023年3月、英BBCがジャニー氏の性加害問題についてのドキュメンタリー番組を放送。この番組では、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが被害を告白した。
  • 2023年4月、カウアンさんが記者会見を開き、ジャニー氏から性的な暴行を受けたことを改めて訴えた。
  • 2023年5月、ジャニーズ事務所が公式サイトで藤島ジュリー景子社長の謝罪動画を公開。ジュリー社長は、「ジャニー氏の行為は事実であり、被害者の方々に心からおわび申し上げます」と述べた。
  • 2023年8月、再発防止特別チームが調査報告書を公表。報告書では、「ジャニー氏は、古くは 1950 年代に性加害を行って以降、ジャニーズ事務所においては 1970 年代前半から 2010 年代半ばまでの間、多数のジャニーズ Jr.に対し、長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められた」と発表。また、「マスメディアの沈黙」と題して、多くのメディアが正面から取り上げてこなかったことや、ジャニーズ事務所の圧力や恐怖感があったことも指摘した。

今回はジャニーズ問題の内容を深掘りしていくと共に、とても大きな社会問題となっている「性加害問題」について改めて考えるキッカケになればと思います。

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ジャニーズ性加害問題、誰がどんな風に被害にあった?

カウアン岡本

カウアン岡本さんは2012年から2016年までジャニーズJr.として活動。その間「合計で15回から20回ほど性的被害を受けた」と明かしました。

カウアンさんは当時、愛知県の実家で暮らしていたため、仕事が遅くなった日などはジャニー喜多川氏の自宅マンションに泊まることが多かったとのこと。

初めて被害に遭ったのは2012年3月。
この日も仕事が遅くなり、他のジャニーズJr.のメンバーと共にジャニー氏の自宅に留まったそうです。

夕食を食べたあと、ジャニー氏から「カウアン早く寝なよ」と声をかけられたといいます。

「早く寝なよ」と声を掛けられたら「ジャニー氏の寝室に近い寝室か、ジャニー氏の寝室で寝ないと翌日ジャニー氏の機嫌が悪くなるというのがジャニーズの中では暗黙の了解だったため、その日カウアンさんはジャニー氏の寝室に近い寝室で眠ることにしたとのこと。

そして深夜、カウアンさんが寝ている部屋にジャニー氏が入ってきて、事が始まり被害にあったといいます。

その後も2016年にジャニーズ事務所を退所するまでの間、100回以上はジャニー氏の自宅や滞在するホテルに泊まったとも明かしています。

田原俊彦

1991年にジャニーズ事務所から独立している田原俊彦さんですが、ジャニーズとして活動している時はジャニー氏の「だんなさま」だったといいます。

だんなさまとは「肉体的に男役でジャニー喜多川さんを喜ばせ、タレントとして稼いでジャニーさんに貢ぐ存在」を指すそうです。

実際に田原俊彦さんはジャニー氏のことを「ジャニー」と呼び捨てにしていたとのことです

田原俊彦さんは1989年に週刊誌「FOCUS」に全裸写真がスクープされたことがありましたが、その写真はジャニー氏が撮影したものだそうです。他のジャニーズタレントもジャニー氏に裸の写真を撮られるのは日曜茶飯事だったとのこと。

木山将吾

出典:NN-media

1987年にデビューした光GENJIの幻のメンバーと言われている木山将吾さん。
2005年に暴露本「SMAPへ – そして、すべてのジャニーズタレントへ」を出版しています。

当時、木山氏はジャニー氏一番のお気に入りで、取材陣の前でも膝の上に座らされ、食事もジャニー氏の手で口に運んでもらっていたという。そして、夜はジャニー氏の欲望の捌け口として濃密過ぎる時間を過ごしていたというのだ。彼は、そんな生活を余儀なくされた15~17歳の2年間を振り返り、「ジャニー喜多川の愛人だった」「性の奴隷だった」と表現している。

しかし、木山氏の告白は、「愛人」「奴隷」という言葉が生易しく聞こえてしまうほどの、まさに地獄以上の体験に満ちているのだ。

出典:サイゾーウーマン

このレビューにもあるとおり、木山将吾さんが受けた被害は想像を絶するものであることが伺えます。

木山将吾さんはジャニーズ事務所の合宿所で、ジャニー氏に泡風呂の中で全身を丹念に洗われる「泡風呂の儀式」を受けたといいます。

泡風呂の儀式」を拒否し、そのままジャニーズ事務所から消えたというジュニアも多かったそうですが、アイドルになりたかった木山将吾さんは、ジャニー氏からの性的な行為を受けるしかなかったそうです。

当時ジャニーズにはデビュー前に女性ホルモンを打ち、成長を遅らせて少年のような期間が長くなるようにするということがあったそう。

光GENJIの諸星和己さんから「次は木山くんだから」と告げられたのをキッカケにジャニーズ事務所から消えたそうです。

元King & Prince平野紫耀

King & Princeはジャニー氏が最後にプロデュースしたグループで「最後の最高傑作」とも言われています。

そのKing & Princeに所属していた元メンバーである平野紫耀さんもジャニー氏の性被害にあっていたそうです。

カウアン岡本さんが「ホテルで平野紫耀とジャニー喜多川さんの3人で、キングサイズのベッドで行為をされたことがあった」と証言しています。

松本潤&Sexy Zone佐藤勝利

出典:女性自身

こちらのお二人もカウアン岡本さんの証言により被害が明らかになっています。

お二人はジャニー氏の「スペオキ(スペシャルなお気に入り)」だったそうで、ジャニー氏の自宅には二人の「専用の部屋」があったとのこと。

前述の木山将吾さんの暴露本に

これからジャニーズに入る少年は、もうあのジジイは役立たずだから襲ってこないだろう、なんて安心していたら危ない。

なにしろ、少年にフェラ○オをするのが生きがいなのだから。

別の襲われ方があるのだ。

それからもっと悪質な趣味も持っている。

これも誰もが体験させられる悪魔だった。

と記していることから、想像はしたくありませんが容易に状況が想像出来てしまいますね。

 

これだけでもほんの一部の方です。
実際に調べてみると被害にあった方はもっと大勢いますが、ジャニーズ事務所に入ったからと言って必ず被害に遭うということでは無かったそうです。

というのも、ジャニー氏は「親が有名人の二世タレント」には一切手を出さなかったといいます。

中にはこうした問題が明るみになって初めて事の真相を知った方もいるようで、「被害に遭ってない人たちも多くいるわけで、ジャニーズのOBや現役を変な目で見ないでほしいです」と発言している方もいらっしゃいます。

ジャニーズ性加害問題、専門家の見解と対応策

ジャニーズ事務所では、2023年5月より法律や性被害などに詳しい外部の専門家による再発防止特別チームを設置して調査を進めていました。

この再発防止特別チームが2023年8月29日に会見を開き、調査報告書を事務所側に提出したと発表しました。

下記が概要になります。

再発防止のための特別チームが被害者などへの聞き取りを行って取りまとめた調査報告書は67ページにわたっています。

特別チームではことし5月26日から8月29日までの3か月間調査を実施し、被害者など23人、事務所関係者18人のあわせて41人に対し、本人の希望に応じて対面、オンライン、電話、そしてメールのいずれかの方法でヒアリングを行ったとしています。

出典:NHK NEWS

そして再発防止特別チームの見解がこちら。

▽創業者たる経営者による違法行為が行われた場合に誰もそれを止めることができないという同族経営の弊害
▽ジャニーズJr.として事務所に入った立場の弱い少年たちの人権を尊重しようという意識が希薄だったことなどずさんな管理体制などをあげています。

さらに、マスメディア側に前社長の性加害を報道するとタレントの番組出演や雑誌掲載がなくなるのではという危惧があり、報道されなかった状況があったのではないかとし、これにより事務所は批判を受けることがないことから隠ぺい体質を強化していったと断ぜざるをえないとしました。

このこともさらに被害が拡大する原因になったと考えられるとしています。

出典:NHK NEWS

こうした要因の中、再発の防止策として

・事務所は性加害を認め謝罪し、被害者と対話して救済に乗り出すべき
・「被害者救済措置制度」を構築
・人権方針の策定と実施
・再発防止策の実施状況のモニタリングとその公表
・藤島ジュリー社長の辞任
この調査報告を受け、ジャニーズ事務所は「外部専門家による再発防止特別チームからの提言および会見内容を真摯に受け止め、今後に予定をしております記者会見にて、その取り組みを誠心誠意ご説明させていただく所存でございます。会見のご案内に関しましては、今暫くお待ちいただけますようお願い申し上げます」とコメントしました。

ジャニーズ事務所以外の芸能界でも性加害問題は起きている

今回は「ジャニーズ」というエンターテインメント業界の大手事務所から出た性加害問題という事で社会的にもかなりのインパクトを与えたニュースになっていますが、ジャニーズ以外の芸能界でも性加害問題は起こっています。

映画監督・榊英雄

出典:日テレNEWS

「週刊文春」が2022年3月に報じたもので、榊氏の作品に出演したり、ワークショップに参加していた4人の女優が、2013年から17年の間に榊氏からレイプまがいに性的行為を強要されたり、映画の出演をちらつかせて関係を持たされたと告発。

これにより同年3月に公開予定であった映画「蜜月」の公開が中止。
公開が中止になった映画「蜜月」は性被害の社会問題を題材にした映画だったそうで、自ら性加害問題を起こし映画を公開中止に追いやってしまったとのこと。

なんて皮肉な話でしょうか。

俳優・木下ほうか

ワークショップなどで知り合った2人の女優が演技指導として木下氏の自宅に呼び出されたところ、寝室に連れていかれ性的関係を強要されたと告発。

他にも木下氏にお酒の場に誘われ、離席している間にビールが変色。飲んだら急に目が回りタクシーに押し込まれそうになって逃げたことなど語っている女性もいるとのこと。

本人は記憶がないと証言していますが、薬物まで用意して事に及ぼうとしているあたりに気持ち悪さまで感じてしまいますね。

万が一、性被害に遭ってしまった場合の支援について

性加害問題は芸能界だけの問題ではありません。決してあってはならないことですが、万が一自分や周りの誰かが性被害に遭ってしまった場合に受けられる支援を下記にまとめましたので頭の片隅でもいいので覚えておいて頂けると幸いです。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

全国共通番号「#8891(はやくワンストップ)」に電話すると、最寄りのワンストップ支援センターにつながります。ワンストップ支援センターでは、性犯罪・性暴力に関する相談を受け付け、産婦人科等の医療的支援、相談・カウンセリング等の心理的支援、捜査関係の支援、法的支援等を行っています。

ワンストップ支援センターHP:性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)

性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実

警察では、性犯罪被害者の精神的負担の軽減・被害回復を図るため、性犯罪被害者のニーズに応じたカウンセリングを実施しています。カウンセリングに関する専門的知識や技術を有する警察職員がカウンセリングを行うほか、被害者等が自ら選んだ精神科医、臨床心理士等を受診した際の診療料又はカウンセリング料を公費で負担する制度も整備しています。

犯罪被害者支援のための具体的施策PDF:3-2_seisinntekihigainokaifuku_R4.pdf (npa.go.jp)

DV相談プラス

DV相談プラスとは、内閣府が2020年4月から実施しているDV被害者のための相談窓口です。
DV相談プラスでは、以下のような特徴があります。

  • 24時間対応の電話相談のほか、メールやSNSによる相談も可能です。チャット相談は12:00〜22:00に行っています。
  • 日本語以外にも10か国語に対応しています(チャット相談のみ)。英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、ベトナム語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、インドネシア語です。
  • 専門の相談員が対応しています。くわしいお話をお聞きした上で、相談員が必要だと判断した場合は、面接、同行支援などの直接支援、安全な居場所の提供を実施します。

DV相談プラスの電話番号は0120-279-889(つなぐ・はやく)です。DVのお悩みをひとりで抱えている方は、お気軽にご連絡ください。

DV相談プラスHP:https://soudanplus.jp/

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